脳卒中(脳血管障害)の3つ、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血のなかでは、もっとも発生率が低く、また死亡率が少ないのは、くも膜下出血です。また手術でなおる可能性もいちばん高い病気です。
くも膜下出血の予後は、再破裂と脳血管攣縮(くも膜下出血のあとに、動脈瘤近くの動脈が痙攣したように収縮する症状)といった合併症によって大きく左右されます。また、くも膜下出血の場合、内科的治療では根本的な治癒は望めません。たがって、病人の状態がさほど悪くなくても、急性期に即、手術をしてしまう傾向が強くなっています。
最初の破裂後に、即、手術を受けることができれば、再破裂の可能性はなくなります。再破裂をした場合、50パーセントは、死亡するといわれています。また、たとえ命は助かったとしても、重篤な後遺症が残ります。したがって、脳卒中(脳血管障害)の場合はいずれもそうですが、くも膜下出血の場合は、特に、発作後、すぐに救急車を呼び、脳神経外科のある専門の病院で治療を受けることが極めて重要なのです。
また、脳血管攣縮は、動脈瘤破裂後、5~10日くらいに起こる可能性があります。くも膜下出血を起こした患者さんの約30パーセントにみられます。脳血管攣縮が起こると、手足のまひや、意識障害、失語症といった症状が現れます。重篤な場合には、後遺症が残ったり、死亡するケースもあります。
動脈瘤の破裂を導く危険因子は、高血圧、喫煙、飲酒です。日ごろからの節制が、破裂を防ぐ、最大の予防になります。
脳卒中(脳血管障害)の発作後、幸い死亡は免れたとしても、重篤な後遺症が残る可能性があります。また、再発の不安を抱えての生活となる場合が多く、生活の改善が求められます。
脳卒中(脳血管障害)の3つ、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血について、どのような生活を心がけることがその予防、再発の防止、後遺症の改善となるか、いくつかポイントを示します。
脳出血
脳出血を招く、最大の原因は、高血圧です。したがって日ごろから血圧が高めの人は、食事療法や運動療法、薬物療法で血圧をうまくコントロールすることが非常に大切です。食事療法は、主に、塩分制限となります。そのほか、発作のおきやすい状況を避ける、改善するような環境の整備も必要です。発作は、真夏や真冬、入浴中、用便中に起きやすいことから、寒い時期にはお風呂場を湯気で充分に温める、用便で力まない、などを心がけます。
脳梗塞
脳梗塞においても、高血圧が大きな誘因となります。食事療法(塩分制限)や薬物療法による、血圧コントロールは脳梗塞を防ぐとともに、再発を予防する対策になります。また、脳梗塞の場合、喫煙、飲酒も控えます。経口避妊薬も脳梗塞の発病を促すといわれます。
くも膜下出血
くも膜下出血では、動脈瘤の発生や破裂、再破裂をいかに防ぐかが課題です。そのためには、血圧コントロールが重要であるほか、喫煙、飲酒の抑制も必要です。動脈瘤は、破れる前に発見された場合には、その大きさや症状、患者さんご本人の年齢や体力から、手術の是非を検討します。