脳卒中(脳血管障害)は、昭和26年にそれまで日本人の死亡率のトップを占めていた、結核にかわってトップに躍り出ました。その後、ずいぶんと長いあいだ、首位に位置していましたが、昭和45年ころからしだいに減り始めました。
脳卒中(脳血管障害)の3つ、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血のすべてについてずいぶんと減っています。そして昭和60年には、心臓病よりも少なくなり、第3位になりました。
脳卒中(脳血管障害)の3つ、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の内訳は、かつては、1位が脳出血、2位がくも膜下出血、3位が脳梗塞でした(1960年)。日本人には、脳出血が多く、脳梗塞は少ないというのが一般的な傾向だったのです。
しかし平成に入り、平成7年には脳梗塞が脳出血の2倍以上になっています。このような脳出血と脳梗塞が逆転した理由は、4つ考えられます。
1つは、医療技術の進歩(CTスキャン)により、両者の区別が容易になったことです。脳出血は、脳の血管が破れて脳のなかに出血するものであるのに対し、脳梗塞は、脳の血管がつまってそこから先に血液が流れなくなることから脳の組織が死んでしまう病気です。
2つは、精力的に実態調査がおこなわれるようになったことです。
3つは、脳出血の大部分を占めるのが、高血圧性脳出血なのですが、この高血圧の管理が比較的よくおこなわれるようになったことがあります。
そして4めとしては、環境、特に食生活の変化によって、動脈硬化による病気が日本人に増えているということです。
現在、脳卒中(脳血管障害)は、がん、心臓病に次いで、日本人の死亡原因の第3位を占めています。一時期に比べると、ずいぶんと減ったのですが、減ったのはあくまで「死亡率」であり、発症率は減っていないという報告もあります。
脳卒中(脳血管障害)の3つの主な病気・・・脳出血、脳梗塞、くも膜下出血・・・のうち、脳出血については、高血圧の管理が進んで、生死をわけるような大きな大出血が少なくなったことが、死亡率の減少につながったといえます。また、医療技術、特に救急救命技術の進歩で、以前ならば亡くなっていた人の命を助けられるようになった、ということもあるでしょう。
しかし、脳出血の場合、確かに、大きな出血は減りましたが、小さな出血は減っていないのが現状です。そのため命は助かったけれども、身体になんらかの障害が残り、リハビリが必要な人は、逆に増えています。
また、脳梗塞についても、本格的な大発作ではないけれどいも、小さな脳梗塞(200~300ミクロンといった小さな血管が詰まる状態)が増えています。これらの小さな脳梗塞ならば、発作があっても命は助かるのです。しかし、日本人の食生活が変化したことで、動脈硬化による病気が増えたことから、、かつて日本人には少ないとされていた脳梗塞は、現在、脳出血を上回るほどになっています。
また、脳卒中(脳血管障害)の3つの病気・・・脳出血、脳梗塞、くも膜下出血・・・のなかで、もっとも少ないとされる、くも膜下出血の場合は、重症度が一般に5段階にわかれ、治療技術、特に外科的治療の技術がかなり確立してきています。