脳卒中(脳血管障害)の発作後、命は取り留めたものの、言語障害や片麻痺、失行、失認といった、後遺症に悩む人びとが増えています。これらの後遺症を「脳卒中後遺症(のうそっちゅうこういしょう)」といいます。
脳卒中後遺症の改善は、適切なリハビリテーションをいかに計画的にすすめていくかにかかっています。そのためにも、後遺症の程度や、損傷を受けた部位を正確に把握することが必要となります。
CTスキャン
脳の病巣部位を把握するために用いられるのが、CTスキャンです。CTにうつしだされた病巣部位の大きさと、片麻痺の程度や回復の時間には密接な関係があるからです。
MRIと脳循環血液量の測定
発病から時間がたっている場合、たとえば脳出血では、CTスキャンでは異常がみとめられないことがあります。このような場合には、MRIで判断したり、脳循環血液量の測定をおこなったりして、病気の状態を把握します。
そのほか、失語症や失行、失認についても検査します。失語症については、話す、人の話を聞いて理解する、読む、書く、といった各言語能力がどの程度障害されているかを把握します。そのために、「自発言語」「復唱」「聞いて理解する」「音読」「読解」「自発書字」「書き取り」および「写字」という8つの種類の言語動作について検査がおこなわれます。これを「標準失語症検査」といいます。
失行、失認については、ある動作をおこなわせてたり、図や絵を描くといった課題をどの程度こなせるかを評価します。
現在、日本では、脳卒中(脳血管障害)で死亡する人の数こそ減ってはきていますが、片麻痺や言語障害、失行、失認といった、脳卒中の後遺症に苦しむ人は、逆に増えています。脳卒中の後遺症を改善するためには、脳卒中の発作によって脳のどこに病巣があり、それはどの程度の大きさなのか、またそれによりどのような障害が、どの程度生じたのかを正確に判断することが大切です。それにより、適切なリハビリテーション計画を立てます。そして意識がある程度回復し、全身の状態が安定してきたら、できるだけ早くからリハビリテーションを開始します。いつまでも大事をとっていると、関節がこわばってしまい、回復がますます困難になるからです。
リハビリテーションの第1は、自分の力では動かせない関節(肩、ひじ、手指、股、ひざ、足)を、他人に動かしてもらう運動です。これを「他動運動」といいます。
他動運動
他動運動は、発病後できるだけ迅速に・・・発病後2~3日以内におこなうべきであるとされます。開始の条件は、「痛みを感じてそれを意思表示できること」です。関節を動かす訓練は、ご家庭でおこなう場合には、かならず専門医の指導を受けることが必要です。
他動運動のあと、徐々に日常生活に必要な訓練をおこなっていきます・・・座る訓練、ベッドから起きて車いすに移る訓練、立つ訓練、歩行訓練、食事、着衣、排泄、入浴です。
そのほか、言語障害(失語症)がある場合には、その訓練も行います。