脳卒中に限らず、あらゆる病気において、食事は体力的も精神的にも、回復を促すための重要なカギになります。しかし、脳卒中の場合、発作後の遺症で、運動麻痺(うんどうまひ)が残り、利き手が不自由になったり、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ・・・食べ物を飲み込むこと)の能力に支障がおよぶと、食事はまさしく苦行と化します。
それでも、早期からきちんとしたプログラムに沿った、リハビリテーションを根気強く続けることで、摂食能力をかなりの程度まで回復させることができます。脳卒中の発作を起こされたご本人も、周囲のかたがたも、あせることなく、リハビリテーションを続けていきましょう。
後遺症のなかでも、咀嚼や嚥下に強い障害が残った場合には、調理に工夫をすることが必要となります。
工夫のポイントは以下の点です。
1.全体的にやわらかめに調理します。
・やわらかく調理することで、むせ返りやのどのつまりを防ぐようにしましょう。消化もよくなり、胃の負担を減らすことができます。
2.大きなものは刻みます。症状に応じて、半流動状の食事にします。
・あらかじめ調理の段階で刻んでおくと、食べやすくなります。
・半流動食が必要な場合でも、見た目があまりにも悪くなると食べる意欲を失ってしまいます。配慮が必要となるところです。
3.刺激の強いものは避けます。
冷たいもの、熱いもの、酸味の強いものは、むせやすいので避けます。
4.水分の多いものは、とろみをつけます。
ある程度濃度のあるほうが、のどの通りが良くなります。
脳卒中の発病後は、生活、特に、食生活を改善し、脳動脈硬化の最大の誘因になる高血圧を防ぐことが必要となります。脳卒中の発病後、自分で食事をとることができる人は、以下の点について、ご自身の食生活を見直し、改善を試みてください。
1.標準体重の維持・・・肥満予防と改善
肥満は、脳卒中の誘因となる高血圧を招きます。すでに太っている人は、その解消のために、早急に!なんらかの手を打つ必要があります。摂取カロリーを減らし、標準体重に近づける工夫が必要です。また、現在のところ標準体重にある人は、その維持に努めます。
2.塩分制限
塩分の取りすぎは、高血圧の人にとって致命的です!1日7グラム以下におさえます。
3.動物性脂肪の制限
油脂類は、カロリーオーバーの原因となり、肥満を招きます。特に、霜降りの牛肉やバターなど、動物性脂肪は血中コレステロールを上げやすいので、控えます。植物性の油脂を増やすようにしましょう。
4.良質のタンパク質は充分に!
タンパク質の摂取は、血液中のタンパク質の補給と、血管壁の強化に必要です。タンパク質が不足すると血管が破れやすくなるのです。
5.野菜、海藻、大豆製品をたっぷりと!
カリウム、カルシウム、食物繊維には、血圧を下げるはたらきがあります。また、ビタミンやミネラルは、微量の栄養素ですが、血管の強化や脂質の代謝に重要なはたらきをします。
便秘は血圧を上げる誘因となりますので、食物繊維をたっぷりとって便通をよくしましょう。
6.アルコール、タバコは節制します!
動脈硬化を促進する要因になります。