脳卒中の発病後の食事のポイントとして、充分な水分を補給することがあります。
水分は、血液循環を良くし、血液の凝集能(血液が固まる作用)を抑制するのに重要なはたらきをします。そのためたっぷりの水分を摂取する必要があります。また、脳卒中の後遺症で摂食障害が残り、全体的に食物の摂取が減ると、水分の摂取が少なくなり、脱水症状をおこしやすくなるため、意識して水分を補給することが大切になります。
(ただし、アルコールや甘いのみものは、肥満の原因となりますので、控えめにします。)
しかし、脳卒中の後遺症で、摂食障害、特に嚥下(えんげ・・・食べ物を飲み込むこと)に障害がある場合、水分、および水分が多いものは、むせやすいので、注意が必要です。むせ返りを防ぐためには、水分にある程度の濃度があるほうが良いようです。
温かい料理の場合は、たとえばスープなどは、片栗粉でとろみをつけたり、卵や牛乳を加えて濃度を増す工夫をします。
コンソメスープよりも、ポタージュスープのほうが、とろみがあって、嚥下したすいでしょう。また、茶碗蒸しは、咀嚼に障害がある方でもおいしくいただけますし、栄養もあって、お勧めです。
冷たい料理の場合は、ゼラチン寄せや寒天寄せにしてはどうでしょう。甘いデザートとしてに限らず、白身の魚や鶏のささみ肉をゆでてほぐし、コンソメ味のスープで煮てそのままゼラチンで固めると、栄養豊かな主菜になります。
また、熱すぎるものや逆に冷たすぎるもの、酸味のあるものは、むせやすいので、避けるようにします。
脳卒中の最大の誘因となる高血圧を予防、改善する際に、避けて通れないのが、塩分の抑制です。食塩を取りすぎると、ナトリウムの作用で細胞外液量が増え、その結果、血液量が増え、血管内圧が上昇し、末梢血管の抵抗が高まり・・・血圧を上昇させて高血圧となるのです。
脳卒中を発病したら、1日の食塩の量は7グラム以下に抑えるのが基本です。そのためには、塩分の多い食品を避けることが必要です。また、料理全体を薄味に仕上げることも大切でしょう。ただし、塩分は食べ物のうまみに非常に大きくかかわっていますから、すぐに、薄味に慣れることは難しいかしれません。塩分に頼らずに食事をおいしくいただく工夫をするようにしましょう。
減塩のコツ
1.塩分の多い食品は避けましょう。
・魚の干物(アジの開き、目刺し、塩鮭、など)、練り製品(はんぺん、かまぼこ)、イカの塩辛、たらこ、漬物、梅干、ハムやソーセージ、などの加工食品には、非常にたくさんの塩分が使用されています。
・味噌汁も塩分が多いです。一日一杯にし、具だくさんの薄味にしましょう。
・スナック菓子は、塩分も脂肪分もたっぷりです!
2.麺類のスープは残しましょう。
ラーメン、うどん、そば、など、麺類の汁やスープは残すようにします。
3.調理に工夫を!
・酸味や香りで味に工夫をしましょう。おしょうゆの代わりに、酢や、ハーブなどの香りでおいしくいただきます。
・献立に味付けにメリハリをつけましょう。すべてを薄味にするよりも、メリハリをつけたほうが満足感があります。